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H27年勉強会(10月)

2015年10月16日金曜日、社内講習会がありました。
講師は織原様です。

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続き

今回の講習では鉄道の歴史からATSについて教えていただきました。
ATS・ATCは鉄道が利用された当初は存在せず、事故から学ぶことで発明され進化していった技術です。ATS(自動列車停止装置:Auto Train Stop)は、“列車が停止信号に接近すると、列車を自動的に停止させる装置”です。1966年にATS-S形が国鉄全線で使用を開始しました。その後運輸省から民鉄にATSの設置を提示しました。


そして今日使われているATSがATS-Pです。ATS-Pは、地上と車上の地上子から電車の距離情報を受信し、速度一距離に対してその速度が許された速度であるかを測ります。そして速度が守られていない場合、自動的に非常停止を行います。このATS-Pは1973年に関西本線平野駅で起こった脱線事故から、導入に向けての試験を実施され、1987年に使用開始されました。
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2006年の福知山線の脱線事故を受けて、ATS-Pに曲線区間や速度を制限している構造物区間などに対応する線路の条件を追加しました。2008年に線路の条件を追加したデジタル式ATS-Pを東京圏、関西地区に導入しました。鉄道創世記にはなかったATS・ATCは事故から学ぶことで発明され進化し、今日のATS-Pになっています。日々稼働する列車の事故を防ぐためには、再度悲劇を起こさないように過去の事故から学ぶ事が大事なのだと痛感しました。