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CEATEC JAPAN 2017

平成29年10月3日火曜日、CEATEC JAPAN 2017へ行って参りました。

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続き

CEATECは毎年幕張メッセで開催されるIT・エレクトロニクス分野の国際展示会です。
会場では時代の先端を行く技術や製品の発表・デモンストレーションが行われます。

来場者に未来を感じさせる大型展示はCEATEC一つの見どころです。

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こちらはCEATECに4年連続で出展され、常連となりつつある卓球コーチロボット「フォルフェウス」です。
今年は自分からサーブを打つ様になったり、プレイヤーに話しかけたりする様になりました。スマッシュを打たれても対応できるそうです。
今年も多くの観衆や挑戦する人の行列で賑わいを見せていました。

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何もない空中に映像が浮かんでいる様に見える空中サイネージです。
ディスプレイの映像光を特殊なプレートへ経由させる事で、人が見る場所で光が結像される様になっています。
画像では判りにくいですが、すぐそこにディスプレイがあるかの様に見え多くの人が手を伸ばして確かめていました。

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見て回る途中で「AIバス」という製品について説明を受けました。
自動運転するバスと思いきや、運転面とは別に運用面の方をAIが担当するそうです。
利用者がスマートフォンなどからバスの運行会社に出発地と目的地をリクエストすると、それに応じて近くの乗り合いバスの運行ルートをAIが設定し利用者の元へ向かわせます。
効率よくルートを設定する為に、バスを運行する地域周辺のイベントや気象などを加味して需給予測を立てておく必要があるとの事です。

乗り合いバスは固定ルートであるのが通常ですが、それをAIがその都度設定するという考えは新鮮に感じました。
しかし自動車は列車の様な線路という縛りが無く、道路上を自ら行きたい方向に行ける為状況に応じてルートを変えるという考え方は全く不自然ではありません。コミュニティバスなど利用者が割合少ない路線ではこの様な運行形態も適切であると考えます。
「今日は何分遅れている」とバス停で待たされることも、数十年後にはもしかすると無くなっているかも知れません。

私が会場で最も興味を引かれた展示は、「地上デジタル放送波を利用した水蒸気量推定」でした。
その名の通り"地デジ"に使われている電波を使い、雨のもととなる水蒸気量を観測する方法です。
この様な観測方法が開発されていたとは知らず驚きです。

電波の速度は本来光速と同じですが、大気中では含まれる水蒸気量によって僅かに遅くなります。
例えば送信機と受信機の距離が5kmの時、その間の水蒸気が1%増えると電波の到着は約17ピコ秒遅れます。
17ピコ秒は0.000000000017秒ですから非常に僅かな時間です。
この遅れを検知する事によって、ゲリラ豪雨を始め局所的に発生する気象現象の予測に役立てる事が可能との事です。

今日ではウェブサイトで数分単位の細かい降雨情報を見る事が出来ますが、ゲリラ豪雨や竜巻など突発的な気象の変化が近年多くなっていますので予測精度の向上は心強いことです。
今後は個人で出来る備えが更に増えることと思います。

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小規模な展示ブースにも目を引くものがありました。こちらは大学の研究室のブースです。
黒い球体に付けられた252個ものマイクで録音し、センサーを付けたヘッドホンで頭の向きを感知することで音の出ている方向や高さ、響き方を忠実に再現するシステムです。
見た目もさることながらその内容も印象的な展示です。
視覚でいうVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の様なシステムがこの先聴覚分野でも作られていくのでしょう。

この他にも大小様々な展示が見られた今年のCEATECでした。
業務分野はそれぞれ違えど最新技術やその動向をチェックする事は大変勉強になります。
今後業務をしていく上で守旧に走らず新しいものを勉強する姿勢を忘れずに行きたいと思います。