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H23年度 第5回技術講習会

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前回に引き続き、新井講師をお迎えして、鉄道車両用戸閉装置の変遷と現状、そして鉄道車両の回生ブレーキ技術についての講習会を開催しました。

講習会の前半は実際に起こったドア開扉事故の原因と対策についてお話しいただきました。
2001年8月に起こった事故では、ホームに停車する直前に反対側のドアが開いてしまったものでした。原因はLCU(戸閉制御装置)基板内部の絶縁の劣化とのことで、事故を受けて車掌スイッチを「開」扱いにしないと開扉しないといった対策が施されました。
他にも、車両の先頭と最後尾がホーム検知をしないと開かないといった、ドアの安全対策について学びました。

後半は回生ブレーキの歴史についてお話しいただきました。最初に電力回生ブレーキが採用されたのは昭和10年のことだそうです。
採用当初は問題も多く、戦後の回生ブレーキでは下り勾配でタイヤが過熱してしまうといった問題がありました。
その後、誘導電動機駆動とPWMコンバータによる交流回生ブレーキ方式の開発が進められて新幹線や在来線で搭載されました。
通勤車両にも省エネが叫ばれる中で、回生ブレーキが搭載されるようになりました。その後は、回生率を上げて消費電力を下げることや、余剰回生エネルギーを貯蔵して力行エネルギーに利用するといった工夫がされているそうです。
省エネは今後も考えなければいけない問題なので、さらなる技術の発展が楽しみです。